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【ダージリン】茶葉の特徴やおすすめの飲み方をご紹介!

茶葉の特徴

2024-12-18

世界三大銘茶の一つに数えられるダージリン。その繊細な風味から紅茶のシャンパンとも呼ばれ、日本でもとても人気の高い紅茶です。今回はそんなダージリンの歴史や特徴、おいしい飲み方などをご紹介します。

ダージリンの名前の由来と歴史

ダージリンとは都市の名前で、インド・西ベンガル州の北部のヒマラヤ山麓にあるエリアのことを指します。標高が高くて冷涼な気候のため、イギリス植民地時代から避暑地として人気がありました。このエリアの標高500~2000メートルの急斜面に広がるお茶畑で生産される紅茶が「ダージリン」です。

ダージリンの紅茶栽培は、1841年、ダージリン地区初の長官になったキャンベル博士が自宅の庭で中国種の茶の種の栽培に成功したことがはじまりと言われています。世界第一位の紅茶生産量を誇るインドの中で、ダージリンの生産量はインド全体の約1%とごくわずか。他では生み出すことの出来ない繊細な味わいで、特別な紅茶としての地位を確立しています。

ダージリンは“紅茶のシャンパン”?茶葉の特徴

ダージリンは「紅茶のシャンパン」とも呼ばれています。口に含んだ時のフルーティーな香りと、舌の上で転がるような繊細な風味と余韻が、シャンパンを口に含んだときのイメージが似ていることから、そのように言われるようになったそう。すっきりとした風味、そして黄色味のかったうすいオレンジ色のカップ水色が特徴で、手間をかけて作られた大きめの茶葉のものが多く、ゆっくりとお湯の中で茶葉が開いていく過程を見ることができます。

ダージリンは5~6月に採れた茶葉が一番?

ダージリンは春から秋にかけて「クオリティーシーズン」と呼ばれる良質な茶葉がとれる旬の時期が3回あります。まず3月から4月に芽吹いた新芽からつくられたものが「ファーストフラッシュ」。青々としたフレッシュな味わいが特徴です。続いて5月から6月の「セカンドフラッシュ」。渋みがのって力強い味わいが楽しめます。ダージリンではこのセカンドフラッシュがもっとも充実した味だと評価されており、この時期のものに「マスカテル・フレーバー」と呼ばれる特別に香りのよいものが生まれると言われています。

夏の時期が終わると、9月から11月にかけては「オータムナル」という秋摘みダージリンの季節。渋みが丸くなり穏やかな風味と深いコク、やさしい甘味が感じられるとても落ち着いた味です。

ダージリン茶葉が育つ場所はカンチェンジュンガなどヒマラヤの山々が連なる麓にあって、朝晩はとても冷え込みます。朝晩の気温差が激しいので、霧が発生しやすく、その霧と涼しい気候がダージリンティーの繊細な風味を生み出すと言われています。年間通してお茶の生産を行っている他の紅茶産地とは違い、冬の間は茶園を閉じてじっくりとお茶の木を休ませ、また春からの収穫を待ちます。

ダージリンをおいしく味わうには?

ダージリンのフルーティーで繊細な味わいを楽しむために、飲み方はストレートがおすすめです。ミルクティーにしたいときは、ミルクのコクに負けないように、少し茶葉を多めにいれて長く蒸らすといいでしょう。また、一般的にはアイスよりもホットの方が香りも強くなり、ダージリンの持つさわやかな渋みと香りをよりはっきりと感じることができます。

 

ダージリンはとてもデリケートなので、お湯を勢いよく注いでしまうと渋みがやや強く出てしまうことがあります。ゆっくり優しく注ぐようにしましょう。蒸らす時間はだいたい3分から5分。長く置けば置くほど味が強くなるので、お好みで調節してください。リーフティーの場合はジャンピングといって、茶葉がポットの中で動きながらゆっくり開いていくのを待ち、開ききったタイミングが出来上がりの目安です。できれば口の広いティーカップで、注いだ時に広がる香りを楽しみながら味わってみてはいかがでしょうか。

時間をかけて水から出したアイスダージリンティーもおすすめです。低い温度の中でゆっくりと茶葉の成分が溶けだしてくるので、渋みが抑えられて、とろんとした甘味とすっきりした口当たりが楽しめます。時間は1時間くらい常温におくか、冷蔵庫で一晩ほど。薄手のグラスに注いで飲めば、淡いシャンパンゴールドのような色が引き立ちます。出来上がったら冷蔵庫に入れ、1日で飲み切るようにしてください。

 

ダージリンに合うお菓子は?

すっきりとした味わいのダージリンには、シンプルで甘いお菓子が好相性です。例えば、マカロンやボルボロンなど、ストレートなお砂糖の甘さとホロホロっとした食感を感じられるもの。デリケートな渋みと繊細な口当たりのスイーツとのペアリングを楽しめますよ。

また、意外に感じられるかもしれませんが、和菓子との相性もぴったり。例えば、落雁や練り切りなど季節の上生菓子とダージリンをあわせると、和菓子のあっさりとした優しい甘さにダージリンのすっきりとした渋みが重なって、両方のおいしさがより引き立ちます。ぜひお試しくださいね。

 

 

ダージリンとアールグレイの違いとは?

「ダージリン」と「アールグレイ」どちらもとても有名で人気がある紅茶ですが、具体的にどのように違うのかまでは…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ダージリンは産地の名前、ダージリン地方でとれる紅茶です。着香などはしておらず、紅茶そのものが持つ香りです。その繊細な香りは、ダージリンの茶葉とそれを育てる風土から生まれたものなのです。それに対してアールグレイは、グレイ伯爵という人の名前が由来で、ベースの紅茶の産地は会社によって違いは様々です。そのベースにベルガモットという柑橘系の香りを着香して作られています。つまり、もしベースがダージリンでも、そこにベルガモットのフレーバーをつけていれば「アールグレイ」になるというわけです。

ダージリン地方を旅して

植民地時代、イギリス人たちが暑さから逃れ、涼を求める場所として開発されたダージリンは、今でも避暑地としてとても人気がある場所です。イギリス植民地時代のエレガントな建物、そして世界遺産でもある「トイ・トレイン」と呼ばれるかわいい蒸気機関車がまだ残っていて、ヴィクトリア時代のイギリスの繁栄が垣間見えるとても素敵な町で、朝は、町の中一帯に霧が広がり、その向こうに高いヒマラヤの山々が見える幻想的な風景が楽しめます。

茶園は町から離れたところに点在していて、現在の数は90弱ほど。昔に比べて道はかなり整備されたとはいえ、幹線道路から茶園へ入っていく道は、とても狭くて急なでこぼこ道でした。茶園は傾斜の強い斜面に広がり、その急斜面に張り付くようにお茶の木が植えられています。その茶園の中で、鮮やかな色の服を着て、長靴を履いて、あたまから下げたひもにかごをぶら下げた女性たちが、「一芯二葉」といわれる新しく出てきた葉の上の部分だけを黙々と摘んでいました。茶園を包む朝霧と澄んだ空気の中で育ち、機械ではなく、1つ1つ丁寧に手で摘み取られた茶葉から、あの豊かな香りが生まれるのですね。

まとめ

 特別な場所で手間ひまかけて作られた繊細な紅茶、ダージリンティー。すっきりとさわやかな紅茶が飲みたいとき、優しい甘さのお菓子を添えて、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

 

 

参考文献 
紅茶の事典(荒木安正 松田昌夫)柴田書店
新訂紅茶の世界 (荒木安正)柴田書店
紅茶をもっと楽しむ12か月(日本ティーインストラクター会)