【イングリッシュブレックファースト】 茶葉の特徴やおすすめの飲み方をご紹介!
茶葉の特徴
2025-10-08
今回はスタンダードな王道の味「イングリッシュブレックファースト」の魅力をご紹介します。
イングリッシュブレックファーストの名前の由来と歴史
イギリスに1日に7回ものティータイムがある、と言われていますが、中でも1日の始まりの朝食はとても大切。「イギリスで美味しい食事がしたければ、1日に3回朝食を取ればいい。」と作家のサマセット・モームが言ったように、おいしいものがないといわれる英国の食事の中で、朝食は別格扱いです。
伝統的なフルイングリッシュブレックファーストは、1つのお皿にベーコンや大きなソーセージ、目玉焼きやスクランブルエッグ、ベイクドトマト、インゲン豆をトマトソースで煮たベイクドビーンズ、マッシュルームなどが盛りつけられ、カリっと焼かれた薄いパンが添えられたボリューム満点のもの。
そして、この朝食にかかせないのが濃い紅茶にミルクをたっぷり入れたミルクティーです。これは、産業革命以来の長時間の労働に耐えられるよう、朝食をしっかり食べて仕事場へ出かける習慣ができてからだと言われています。
紅茶にはタンニンやカフェインといった成分が含まれていて、起きてすぐに頭や体をシャキッとさせるにはぴったり。でも、空っぽの胃の中に強い紅茶を流し込むと、ちょっと刺激が強すぎて気分が悪くなってしまう事もありますよね。なので、朝には濃い目の紅茶にミルクを加えて飲むというのは胃にやさしくて理にかなっているのです。
そんな習慣が定着していくうちに、いつしか朝食に欠かせない濃い目のミルクティーに合うようにブレンドされた紅茶が「イングリッシュブレックファースト」と名付けられ、各社から売り出されるようになったといわれています。ちなみに、より濃い紅茶を好むアイルランドの人たちの好みを反映した「アイリッシュブレックファースト」というブレンドもあります。
茶葉の特徴
イングリッシュブレックファーストは特定の産地名ではないため、メーカーによって味や茶葉のレシピは違いますが、基本的にはミルクティーに合うというのが特徴です。
ミルクをたっぷりいれてもミルクのコクに負けたり、味がぼんやりしたりしないように、カップに注いだ時に色も味もしっかりと出て、パンチがあるブレンドに仕上げているものが多いです。
毎朝飲んでも飽きがこないようにシンプルで、着香もされていないものがほとんど。紅茶の茶葉の産地は様々ですが、多くはアフリカや、インドのアッサム、スリランカなどで生産される、渋みやコクが強く、赤みの強い茶葉がブレンドされています。
カップにそそいだ紅茶の色を水色(すいしょく)といいますが、イングリッシュブレックファーストにミルクを注ぐと、こっくりとした温かみを感じさせるきれいなミルクブラウンになります。茶葉の大きさも味がしっかり出やすいようにBOP(ブロークンオレンジペコー)やBOPF(ブロークンオレンジペコーファニングス)といった細かい茶葉や、CTC(※)と言われる特別な機械で作られた茶葉が多く使われ、味が濃く出る工夫がされています。
※CTC(Crush,Tear,Curl)の略。
お茶の葉を押しつぶして、引き裂いて、丸めるという製法。お茶の成分が茶葉の周りにつくのでお湯を注いだ時に味が早く出ます。ティーバッグ用茶葉にも多く使用されています。
おすすめの楽しみ方とペアリング
一番のおすすめの飲み方はやはりミルクティー。また、手鍋を使ってスパイスと一緒に煮出すチャイにもぴったりです。
より一層おいしいミルクティーを味わうために、紅茶をきちんとした手順で入れることはもちろん、牛乳にもちょっとこだわりを。
おすすめは、一般的な高温殺菌牛乳ではなく、低温殺菌牛乳を選ぶこと。よりさっぱりとして舌触りが滑らかなミルクティーを楽しむことができますよ。
おすすめのペアリングは、英国式アフタヌーンティーブレイクの定番、クロテッドクリームとジャムをたっぷりのせたスコーンとミルクティーの組み合わせ「クリームティー」や、パウンドケーキやフランス生まれのお菓子のフィナンシェなどバターたっぷりのスイーツとの相性はぴったりです。
口の中に残るバター感をミルクティーが心地よく流してくれるので、いくらでも続けて食べることができそう。
意外なところでは、焼き芋やどら焼きのような、シンプルだけどほっくりとした和のスイーツとの組み合わせもおすすめです!ぜひ試してみてください。
アーマッドティー イングリッシュブレックファーストの特徴
さまざまな会社から「イングリッシュブレックファースト」という名前の紅茶が出ています。シンプルでスタンダードなブレンドなので、どれも同じような味なのでは?と思いきや、各社それぞれがオリジナルのレシピをもっていて特徴があるのです。
アーマッドティーのイングリッシュブレックファーストの特徴は、モルティ―フレーバー。やさしい渋みとしっかりとしたコクがあり、お湯を注ぐとなんとも言えないウッディーな香りと味わいが楽しめます。
ボディは強いですが渋みが控えめなので、蒸らし時間を少し短くすることでストレートでもおいしい。そしてちょっと長めに蒸らしてミルクを加えれば相性抜群!ボディの強さがより一層ひき立ちます。
品質にもこだわっていて、同じ味とクオリティを保つために、ブレンドの配合のチェックを欠かしません。
アーマッドティーのイングリッシュブレックファーストに使われている茶葉の産地は、主にアフリカ、インド、スリランカですが、紅茶は農産物ですから、その時の天候や状況によって生産量や出来栄え、値段が変わります。私たち消費者のもとに届く時に味や値段が大きく変動しないよう、アーマッドティーのティーテイスター達は、各産地から送られてくるサンプルを毎日テイスティングしています。そして産地や値段を吟味して、時にはブレンドの配合を変更したりしながら常に一定の味、品質、価格を保っています。
ミルクは先か後か? 英国のミルクティー論争
ところで、皆さんはミルクティーにするとき、カップにミルクを先にいれますか?それとも後にいれますか?
ミルクを先にいれることを「ミルクインファースト(MIF)」、ミルクを後からいれることを「ミルクインアフター(MIA)」と言います。日本では圧倒的にミルクを後からいれるMIAの方が多いですね。
この話題、イギリスではなんと150年以上も論争の種になっているそうです。MIF派の主張は、茶渋がつきにくい、ミルクの上から紅茶液を注ぐことでまざりやすく香りがたつ、MIA派の主張は、後から注ぐ方が紅茶の味によってミルクの量を調節できる等々。2003年、イギリス王立科学協会が「ミルクのたんぱく質変性の性質から、ミルクは先に入れたほうがおいしい」というコメントを発表しました。
これで、論争に終止符が打たれるかと思いきや、これも実はイギリス特有のジョークだったとの事で、いまだにきちんとした決着がついていません。
こういった論争が延々と続くほど、イギリスではミルクティーが定着しているのでしょうね。
まとめ
イギリスのスタンダードな飲み方であるミルクティーを本格的に楽しむことができるブレンド「イングリッシュブレックファースト」。一日の始まりにぴったりの紅茶であることはもちろん、カジュアルにいつでも、どんなシーンでも楽しむことができます。ぜひあなただけの一杯を楽しんでくださいね。